突然ですが、スイスチャードってご存知ですか?
葉っぱは扇のような軍配のような形で緑色をしていて、茎は赤や黄色などの華やかな色をした野菜です。
最近では料理研究家・高城順子さんが、NHKで放送された番組「ゆく時代くる時代~平成最後の日スペシャル」の中で令和にブレイクするかもしれない野菜として紹介されていました。
ちなみに高城さんは同じくNHKの番組「きょうの料理」の中で、当時あまり有名でなかったエリンギを世に知らしめた方でもあります。
そんな料理研究家さんにも注目を浴びているスイスチャードとはどんな野菜なのか?
栄養や味についてはもちろん、おいしい食べ方についてもご紹介していきます。
スイスチャード(ふだん草)の栄養について
スイスチャードに多く含まれる代表的な栄養素は、ベータカロテン、ビタミンE、カリウム、の3つです。
1つずつ体の中でどんな働きを果たすのかを詳しく見ていきましょう。
ベータカロテン
ベータカロテンは体内でビタミンAに変換されるため、プロビタミンAとも呼ばれる栄養素。
ビタミンAは皮膚や粘膜などの健康を保つ他、細胞の増殖などにもかかわる栄養素です。
つまりお肌をきれいに保つためには欠かせない栄養素ということ。
また、ビタミンAが不足して喉や鼻の粘膜が弱っていると風邪などのウィルスの侵入を許してしまうことになります。
粘膜を強化して健康を維持するためにも重要な栄養素なのです。
また、ベータカロテンは抗酸化作用を持つという報告があります。
抗酸化作用とは簡単にいってしまえば体をサビから守る作用。細胞を元気に保って、老化から守ってくれます。
アンチエイジングを心掛けている方、いつまでも若々しくいたい方には欠かせない栄養素といえるでしょう。
ビタミンE
こちらも抗酸化作用が強く、シミやシワを防いで肌の健康を守ってくれる栄養素。
また血管を健康に維持する働きやLDLコレステロールの酸化を防ぐもあるため、動脈硬化や脳血管障害、心疾患などが気になる方におすすめの栄養素です。
カリウム
むくみが気になる時に取りたい栄養素として有名です。
これは、体の中の余分な水分を追い出してくれる働きがあるため。
つい、お茶やドリンクをがぶ飲みしてしまう習慣のある方や、お酒を飲む機会が多い方はぜひ摂りたい栄養素でしょう。
また、余分なナトリウムを排出してくれる働きもあるため、つい塩辛いものばかり食べてしまうという方にも役立てていただける栄養素です。
まだある!スイスチャードに含まれるうれしい成分!
スイスチャードには、ベータカロテンやビタミンE、カリウム以外にも体にうれしい成分が含まれています。
その1つがカルシウム。骨や歯の材料になる他、精神を穏やかに保ってくれる作用があるといわれます。
また、貧血防止には欠かせない鉄分も豊富です。
それ以外にも疲労回復の強い味方、ビタミンB1やダイエットの味方食物繊維などを含むので、スイスチャードは美と健康を気にする女性にとって、うれしい成分を豊富に含んだ野菜といえるでしょう。
スイスチャード(ふだん草)の味について
スイスチャードの味はほうれん草とよく似ていて、甘味やほんのりとした苦みがあります。クセはほとんどありません。
日常的に食べなれた野菜と味が近いというのは親近感があって、使いやすいですよね。
特に若くて小さな葉のうちはクセが少なく柔らかいため、サラダの材料に使うなど生食にも適しています。
また、スムージーなどにするのもアイデアですね。
ただ、葉が大きくなるにつれて硬くなりアクも増えて苦みが増すという性質があります。
ゆでてアク抜きをしてから料理に使いましょう。
茎に火が通るまでに時間がかかることが多いので、最初は茎の部分だけお湯に入れて葉は後から入れるなどの工夫をするのがおすすめです。
スイスチャード(ふだん草)をおいしく食べるには?
生で食べる
柔らかくて小さな葉を使った料理の代表格といえば、やはりサラダ。
スイスチャードに含まれるベータカロテンの吸収率をアップさせるには油を使ったドレッシングと組み合わせてみましょう。
使う油は、血液の健康を保つのに役立つといわれる不飽和脂肪酸を含むオリーブオイルや菜種油、ごま油がおすすめです。
洋風にするなら
洋風にするならば、洗って食べやすい大きさに切ってお皿に盛ったスイスチャードにオリーブオイル、バルサミコ酢、塩だけをかけたシンプルサラダはいかがでしょう。
バルサミコ酢はお好みでレモン汁に替えてもOK.シンプルなだけに、スイスチャードのおいしさをしっかりと楽しめるでしょう。
トマトやパプリカといった他の野菜を加えるアレンジや、モッツァレラチーズやカッテージチーズなどのチーズを足してボリュームを増したアレンジも楽しめます。
チーズを入れれば、タンパク質も摂れるので栄養価がぐっと増しますね。
和風にするなら
和風にするならば、ドレッシングは醤油とお酢に菜種油かごま油を組み合わせたものをベースにしてはいかがでしょう。
お酢は醸造酢でも穀物酢でもお好みのもので大丈夫です。
甘味がほしい場合は砂糖の他、リンゴや玉ねぎをすりおろしたものを入れても良いでしょう。
また、七味トウガラシやゴマなどを入れてアクセントにしても良いですね。
ニンジンの千切りやレタスを加える他、水気を切ったお豆腐や冷しゃぶを乗せても良いでしょう。
冷しゃぶを乗せる場合はドレッシングに大根おろしを混ぜるとより、さっぱりと食べられます。
加熱して食べる
アク抜きしたスイスチャードを簡単に使えるメニュー
先ほど少し触れたとおり、大きな葉や硬い葉にはアク抜きが必要です。そこでアク抜きしたスイスチャードで簡単にできるメニューを挙げてみましょう。
まずは和え物。市販のおつまみ用のいかのくんせいと、アク抜きしたスイスチャードを混ぜてマヨネーズで和えるだけ。
お好みでゆず胡椒も混ぜれば、おつまみにもぴったりの和え物になります。
ゆでたゴボウやマヨネーズと混ぜてスイスチャード入りのゴボウサラダにしても良いですね。
さらにお味噌汁やスープを作る際、アク抜きしたスイスチャードを出来上がり間近に加えるのもおすすめ。
既に火は通っているので、温まる程度に火を通せばOkです。
炒める
生で食べられるような小さくて柔らかいスイスチャードならば、簡単にできるのが炒め物。
味が似ているほうれん草と相性のいいベーコンとさっと炒め合わせれば、朝食の目玉焼きに添えたい1品が出来上がります。
ベーコンをハムに替えても良いですね。
実はこの炒め物、ちょっとアレンジするとパスタにできます。
ベーコンとニンニクの薄切りを炒めたところにスイスチャードを入れ、ゆでたパスタを混ぜればできあがり。
辛い物が好きな方はベーコンやニンニクと一緒に唐辛子を炒めてペペロンチーノに仕上げる方法もあります。
スイスチャード(ふだん草)についてのまとめ
スイスチャードはまだ、知名度の低い野菜ながら栄養豊富で見た目もかわいらしい野菜。
くせが少なく、ほうれん草に似た味であることから日本の食卓にもなじみやすい野菜といえるでしょう。
アイデア次第で様々なメニューに使えるので、積極的に毎日の食卓に取り入れて、美と健康に役立てていきましょう。